エモい写真の撮り方!心の琴線に触れるエモい写真とは?


「エモい写真」とは、見る人の感情を強く揺さぶり、心に残る印象を与える英語「emotional」からきている、直訳すると「感情的」な写真です。エモーショナルな写真とのことで、その意味は懐かしさや切なさや感傷的で複雑な感情を含んでいます。この記事では、そんな心を強く揺さぶる「エモい写真」の表現技法について考えてみます。エモいについて色々と書いてますので、興味がないところは読み飛ばしてください(^^)

目次

エモいの意味とは?

エモい写真を撮るには具体的に「エモい」とはどういう感情を表しているのか知っておきましょう。まず冒頭でも話しましたが、エモいという言葉は英語の「emotional(エモーショナル)」に由来する、言葉では何とも言い表しづらい気持ちになった時によく使用されているスラングです。例えば、感情が揺さぶられた時、切なく懐かしいような気持ちになった時、強く心が動かされ、今回で言えば心の琴線に触れた時などに使われます。

エモいとう言葉は特定の意味を持つというよりも、見ている対象、観賞している個人に合わせてニュアンスが変化する言葉であり、「情緒的な」「ノスタルジックな」「懐かしい」「物悲しい」「感傷的な」「切ない」などいろいろな意味を含んでいると言っても良いでしょう。

エモいを流行らせた人は誰だ?

また、「エモい」という言葉は、1980年代に米国で広がった感情的な音楽と心情を吐露する歌詞という特徴のあるロックミュージックジャンル「Emo(エモ、イーモウ)」、から発生したといわれています。もちろん、「Emo(エモ、イーモウ)」というジャンルこそ、「emotional(エモーショナル)」に由来するジャンルのようで、エモいという言葉を流行らせたのは、音楽関係者やバンドマンなんかだとされています。また、日本語の「言い表すことができない、形容しがたい」という意味の「えもいわれぬ」という言葉が語源という説もあるようです。

具体的なエモいの使用例、エモいは次のような使い方をされている!

  1. 「この写真の空の色、エモいね」写真の空の色が心が揺さぶられる色だ。
  2. 「映画の主人公2人の別れのシーンがすごくエモかった」映画で主人公2人が別れるシーンにぐっときて、切ない気持ちになった。
  3. 「この曲、すごくエモいから絶対に聞いてみて」この曲はすごく感動するいい曲だから、ぜひ聞いて。
  4. 「夕焼けがグワーッて広がって、雲の下側がもこもこに赤くてエモい」など自然に感動したとき
  5. 「このマンガの『〇〇〇〇』のシーン、青春を感じて本当にエモい」青春を感じたとき
  6. 「〇〇駅にめちゃくちゃエモい純喫茶見つけた~」古びた喫茶店に懐かしさを感じたとき
  7. 「昨日のライブ、エモかったね~」音楽に心を揺さぶられゾクゾクしたとき

つまり、言葉にできないけれど心が揺さぶられるもの、ぐっとくるもの、感動したり感情が沸き起こるもの全般を、「エモい」と表現しているのです。エモいを他の言葉で言い換えると、「ヤバい」「なんかいい」「すごい」「グッときた」「感動した」など様々な意味で置き換えられるのかも知れません。エモいという言葉の流行の裏には、エモいものを求める若者の心理があり、即物的ではなく、感動できるもの、心を動かされるもの、切なくて感傷的な気分になれるものを求めている若者心理が見えるとも言えますね。

「心の琴線に触れる」と「エモい」の違い

心の琴線に触れる」という表現は、まるで心の中に張られた繊細な琴の線が、美しい音楽や感動的な言葉、目から入ってくる情報によって優しく揺れ動く様子を描き出している表現です。この表現は、人間の心の奥底に眠る感情が、何かによって引き出され、共鳴し、そして響き渡る瞬間を指します。それは、美しい風景に出会った時、感動的な映画を観た時、心に響く音楽を聴いた時など、人間の感情が深く揺さぶられる瞬間に使われます。

一方、「エモい」という言葉は、感情が高まり、心が揺さぶられる状況を表す比較的新しい言葉(とはいってもすごい前から使われてますが)です。この言葉は、感動だけでなく、悲しみや喜び、怒りや恐怖など、さまざまな強い感情を表現するのにも使われ、例えば別れの悲しみ、再会の喜び、恋人への切なさ、友人への感謝など、人間の感情が激しく揺れ動く瞬間によく使われます。

ということで、「心の琴線に触れる」は特に感動を強調し、「エモい」は幅広い感情を表現するという違いがあります。それぞれの瞬間、それぞれの感情が、私たちの心の琴線を揺らし、エモいという感情を生み出しているのですね(^^)

エモい写真の本質・エモい写真とは

感情を呼び起こし、感性を刺激するエモい写真の力

それでは、こんどは具体的にエモい写真についてですが、写真は視覚を通じて直接的に感情に訴えかけるアートフォームです。そのなかでもエモーショナルな、いわゆるエモい写真は、その写真が持つ独特の雰囲気やストーリーで、人々の感情を動かす力を持った写真だと言えます。まさに写真とうアートフォームにはぴったりな表現方法ではないでしょうか。

エモい写真が持つ共通要素

エモいと言われる写真に写っている被写体(人物であれ、動物であれ、ものであれ)自身が持つ感情やその情景が、写真を通じて伝わることがエモい写真の鍵になるのではないでしょうか。色、光、構図などのすべての視覚的要素が、エモいと感じる感情を引き出すための重要な役割があると感がえられます。

エモい写真の特徴

日が暮れるまで、磯遊びをやめない子供

感情を誘発する色使いや配色

色彩心理学の適用により、特定の色が持つ心理的影響を利用して、写真に感情を込めます。色の対比を強調することでドラマを生み出し、調和をもたらすことで安心感を与えます。具体的な例でいうと

フィルムっぽいマットな質感

明るさの階調が狭く、コントラストが低いことで、フィルムでとった写真のような質感が多いです。例えば下記の記事で紹介したフィルムグレイン(フィルムで撮った写真のような粒子)がのった写真もエモい写真によく使用されます。

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写真に感情を吹き込む方法 感情を揺さぶるフィルム グレインとは この記事では写真に感情を吹き込む方法として、「フィルム グレイン」の効果的な活用方法などについて紹介してみます。フィルムグレイン、または粒子・粒状感とは何か?...

青やオレンジの優しい色味

青色は知的で落ち着いた印象を、やわらかなオレンジ色は暖かさや活気を表現し、このような配色心を揺さぶるエモい写真になる要素となります。風景写真や花の写真などでよく使用されるビビットカラーとは違い落ち着いた色味の方がエモいという写真表現にはあっていそうですね。

光のダイナミックレンジが狭い

カメラが認識できる明るさの範囲が狭く、黒つぶれや白飛びを利用して古いフィルムカメラのような雰囲気を演出するのも良いでしょう。例えば、性能がそれほどではない時代のビンテージフィルムカメラでとったり、まだまだデジタルに移行している途中の時代のオールドコンデジで撮ったり、チェキなどで撮ってもいいでしょう。そういったカメラを使用することでも、まだまだ不完全な時代を存分に感じることができるでしょう。

光と影のドラマチックな演出がある写真

光の質感によって、柔らかい光は温もりを、硬い光は緊張感を表現します。影の形状や強度を変えることで、写真に深みを与え、物語性をよりわかりやすく伝えましょう。物語性は人の心の琴線にふれるエモい写真の大きな要素ですね(^^)

風景が物語性を語る写真

風景写真や物語性のある写真は、視聴者に写真の中で展開しているストーリーを感じさせたり、想像させたりすることができます。自然の美しさや都市の喧騒など、様々なシーンを通じて、視聴者がその場にいるかのような体験を感じてもらえるような写真ではないでしょうか。例えば、ベタですが、暑い夏に古民家の縁側で浴衣を着た女性が古い扇風機の風を浴びながらスイカを食べているなど、想像してみただけでもエモいとわかるシーンではないでしょうか。

タイミングをあわせて瞬間を捉えている写真

感情のピーク、例えば泣いている、笑っている、怒っている、はしゃいでいるなどの瞬間を捉えれば、写真に力強さを与えられます。他には静寂の中での突然の動きを捉えることで、写真に緊張感を生み出すような効果もあります。例えば、小さな子供の泣き顔の写真など、親心や懐かしといった感情を揺さぶられる写真になるのではないでしょうか。

カメラマンの個性が表現されている写真

写真における個性の表現は、撮影者となるカメラマン独自の視点やスタイルを反映させることで、他とは異なる独自の作品を作り出すことができます。被写体の選び方、撮影技術、編集プロセスなど、全ての段階で他とは違った個性を表現してみてはいかがでしょうか。例えば、全てに写真においてちょっとだけ青い傾向にあったり、オレンジ色の傾向にあったりなど表現はいろいろですね。

エモい写真はSNSでの共感や感動の呼び水になる

SNSで共感や感動を呼ぶ写真を投稿するには、エモい写真の撮影テクニックやバズる投稿術をマスターすることも重要ですが、エモい写真には感情を引き出すための被写体の選び方や表現方法、構図とアングル、ライティング、カラーとフィルターの活用など、多くの要素が組み合わさって、視聴者の感情を揺さぶる感動的な写真が生みだされています。ビビッドカラーの風景や可愛い動物の写真もいいですが、写真にエモいという要素を組み合わせればより、視聴者の共感を呼びやすくなるのは間違いないでしょう。

エモい写真の撮り方

撮影対象との深いつながりを感じさせよう

人物のポートレートやペットなどの撮影であれば被写体とのコミュニケーションを通じて、その人物やペットの内面を理解し、感情を写真に反映させるよう心がけた撮影をします。感情を引き出す環境で撮影することにより、被写体が自然にその時の感情を表現できるような環境作りをするか、またはそのようなロケーションで撮影しましょう。

エモい写真の構図

エモい写真の構図その瞬間で変わってきます。被写体の配置やバランスは、写真の印象を大きく左右します。基本的な構図としては、日の丸、対角線、三分割、シンメトリーなどがありますが、これらを使いこなすことで、メッセージやテーマ性を強調し、視覚的な興味を引くことができます。

これはエモい写真をエモいと感じてもらう為の没入感や感情を揺さぶる要素に繋がりますので、構図の基本はぜひマスターしておきたいところです。上の写真はフィルム写真で、温かい春の日に桜の木の下で対岸の風景を見つめるカップルが、今どんな心境でどんな話をしているのか?など、視聴者にストーリー性と創造の余白を与えてくれていますね。

撮影環境の理解

光源の選定と配置は、撮影するシーンの雰囲気を大きく変えることができ、背景を意識して撮影することで、被写体を際立たせ、ストーリーも強調できます。ドラマチックな太陽光が使える、朝方や夕方の光がある屋外であれば感情をのせた表現の写真もとりやすいのではないでしょうか。

エモい写真の撮り方 具体的な道具とテクニック

オールドレンズを使う

上の写真のように、光をレンズに入れてオールドレンズと呼ばれる何十年も前に作られたレンズを使用すると、その設計の古さから、現代のレンズとは違う柔らかい描写や、光のふんわり感、ゴースト、フレアなどが演出できます。

「写ルンです」や古いフィルムカメラを使う

1980年代に流行した「写ルンです」は、シャッターを押すだけの使い捨てカメラです。最初からフィルムが内蔵されており、フラッシュは直当て、現像やデータ化には、カメラ屋さんなどにお願いするという手間がかかるものの、そのワクワク感と今の時代からするとチープな写りがレトロな魅力を生み出しています。

最近ではアートやファッション業界で再び注目を集めていて、このカメラの軽さや、細かい設定ができない点が逆に、手軽に「エモい写真」を撮ることを可能にしています。

ゲーム機やガラケーに内蔵されたカメラ、写真機能を使う

古いゲーム機やガラケー(従来型携帯電話)のカメラは、昔の粗い画質やチープなフラッシュの影響で暗くなりがちですが、それが逆にレトロな雰囲気を演出します。特にガラケーはシャッターのタイムラグがあり、予期せぬ構図で撮れることが「エモい」効果を高める可能性があり、偶然の産物を楽しめます。

美しい!エモい!と思う光を撮る

朝の清々しい光や夕暮れの哀愁を帯びた光や、夜の家の明かり、玄関の外灯、キャンプの焚き火など、心引かれる光を見つけたら撮影しましょう。これらの光は写真に温かみとドラマを与え、「エモい」雰囲気とストーリー性を作り出します。

あえてピンボケで撮影する

意図的にピンボケを利用することで、写真にレトロな雰囲気を加えることができます。焦点を遠くに合わせたり、手前をぼやけさせたりすることで、レトロな雰囲気になり、視聴者に考える余白を与える「エモい写真」を撮ることが可能です。

懐かしいレトロなグッズを使用する

子供の頃に遊んだおもちゃや、流行ったアイテムを撮影することで、写真に懐かしさを加え、視聴者の感情に訴え「エモい」効果を高めることができます。

ストーリーがイメージできるシーンを撮影

公園のベンチに残された鉛筆、誰もいない夕暮れの教室など、ストーリーを想像させるシーンを撮影することで、写真に深みを与えることができます。

身近なものでチープなフィルターを作る

100円ショップで見かけるスマホ用フィルターの代わりに、ガラスやレース、ビニール袋、クリアファイルなどを使って撮影すると、一昔前の雰囲気を演出することができます。カメラならレンズの前につけるソフトフィルターやノスタルジーな雰囲気を与えるフィルターが販売されています。

後ろ姿、横顔、手や足、指で感情を表現

顔だけでなく、横顔や後ろ姿、手や足、指先などを使って表情を表現することで、「エモい写真」を表現する事ができます。夕焼けや朝焼けなど、様々な光と影を意識することで、より感情豊かな写真を撮影することが可能です。

変わったフィルムを使って見る

写るんですなどは、自分でフィルム交換は難しいですが、昔のフィルムカメラを使えば、よりエモい写りになるフィルムが用意されています。むしろ、エモい写真が撮れるフィルムの種類は昔より、豊富なほどです。ぜひ、一味違ったフィルムにチャレンジしてみましょう。

古い写真を再構成する

家族のアルバムや古い写真を見返して、そのシーンを現代の視点で再構成してみましょう。過去の写真をスキャナーで取り込んだり、データ化する事で古い写真の味を残しつつ新しい命を吹き込むことで、時間を超えた「エモい」ストーリーを作り出すことができます。

自然の要素を取り入れる

風に揺れる草花や、水面の反射、雨に濡れた街の風景など、自然のなかのエモいと感じる要素を取り入れることで、写真に生命感と詩的な美しさを加えることができます。自然光を活かした撮影は、特に「エモい」効果を高めます。

アナログ感を強調する

デジタル加工を避け、写真の端を手で切り取ったり、わざとフィルムを露光させたりすることで、アナログな質感を強調し、「エモい写真」を撮ることができます。このような加工は、写真に独特の風合いを与えます。

写真の撮影時、撮影後に

テクニカルなスキルの習得

エモい写真を撮るにはある程度の撮影すきるがあったほうが、表現の幅が広がります。カメラ設定の最適化により、シャッタースピード、絞り、ISO感度などを適切に設定することで、意図した感情表現を実現しましょう。

また、撮影後のLightroomやphotoshopなどのレタッチソフトでの編集で色調整やコントラストの変更を行い、写真に物語性と深みが追加できます。

いわゆるエモい写真を思ったように作品にするにはレタッチソフトをある程度使えることは必須のスキルではないでしょうか。撮って出しでもできるとは思いますが、やはりレタッチをすることで、写真の深みやストーリー性は変わってくると思います。

カラーグレーディング

カラーグレーディングは、写真の色彩を調整することで、特定の雰囲気やスタイルを演出する技術です。色の温度や彩度を変更することで、写真にカメラマンの感情を込めることが可能になります。先程述べたソフトをつかったり、各SNSに最初から実装されているフィルターなどを使ってイメージに近づけましょう。

フィルターの活用

フィルターを活用することで、写真に様々な効果を与えることができます。例えば、レンズの前につける物理的なフィルターなら、風景写真には偏光フィルターやNDフィルター、ブラックミストフィルターなどのエフェクトをかけるフィルターを使うという選択肢があり、インスタグラムなどのSNSでは、アプリが実装しているヴィンテージ風やモノクロなどのフィルター機能を使って、写真の雰囲気を変えることでエモい写真に近づけることができるでしょう。

エモい写真の具体例

この写真では、犬の散歩をしている女性が背後の夕焼けをみているのか、振り返って見上げています。

エモいスナップ写真

エモいスナップ写真は、日常の一瞬を捉えたもので、親しみやすさや懐かしさを感じさせるものです。例えば、古い街角で偶然出会った猫、友人との自然な笑顔、雨に濡れた路地裏など、日常の中にある美しさを切り取った感情に訴えかける写真がこれにあたるのではないでしょうか。

エモいポートレート写真

エモいポートレート写真は、被写体の感情が伝わってくるような写真で、自然光の下で撮影された柔らかな表情や目に映る光の反射、被写体の個性が際立つような背景などがポイントです。例えば、窓辺で思索にふける人の横顔や、笑顔の中に感じる哀愁などがエモいポートレートと言えるでしょう。また、制服姿の学生の写真などその時にしかない青春とロケーションを切り取ったポートレート写真もエモい写真になりやすいのではないでしょうか。

エモい風景写真

エモい風景写真は、その場の雰囲気やストーリー性が感情に訴えかけるものです。夏の縁側で食べるスイカと庭から見える緑、夕焼けの海辺、霧に包まれた山々、古びた建物のシルエット、水を張った田舎の田園風景の夕暮れなど、見る人に静寂や懐かしさを感じさせる風景が特徴的です。これらの写真は、見る人がその場にいるかのような感覚を味あわせることができるような魅力があります。

まとめ

エモい写真は、観る者にとって忘れがたい記憶となり、時にはインスピレーションの源ともなります。写真は単なる記録ではなく、感情を伝える強力なメディアであることを、再度確認しましょう。この記事を通じて、あなたも心に残る写真を撮ってみませんか?

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